2025年版『オフショア開発白書』から見るオフショア開発の最新トレンド

2022年から2024年にかけて、IT業界では世界的に大きな変化が見られました。特に極端な円安やDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速、さらにはChatGPTのような生成AIの急成長が注目されています。このような動向は、オフショア開発の分野にも大きな影響を与えています。

今回の記事では、2023年版『オフショア開発白書』や、カオピーズが蓄積したデータを基に、オフショア開発・システム開発における最新の動向をご紹介します。

1.ユーザー企業の規模の変化

まず、日本企業がオフショア開発を検討する際の動向を見てみましょう。

同白書によれば、オフショア開発の相談を行った企業を規模別に分類すると以下のような結果が得られました。

前年と比較すると、以下のような変化が見られます:

・100名以下の企業の割合が69%から62%に減少。

・11~50名の中規模企業の割合が21%から16%へと減少。

・一方で、5001名以上の大規模企業の割合が7%から14%に倍増。

このデータは、中小企業(特に従業員100名以下)のオフショア開発需要が減少傾向にある一方で、大規模企業による需要が拡大していることを示しています。

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中小企業がオフショア開発を利用する主な目的として「コスト削減」が挙げられます。しかし、近年の円安やオフショア先の人件費増加により、コスト削減効果が低下したことで、中小企業が国内開発やニアショア(国内近距離)に回帰する動きが増えていると考えられます。

一方、大企業では国内IT人材の不足を補うため、円安の影響を受けながらも海外ITリソースを積極的に活用する傾向が強まっています。

カオピーズでも、大企業からの問い合わせが増えており、特にウェビナー参加者の増加からも大企業の関心が高まっていることが確認できます。さらに、DODAの最新レポート(2024年7月)では、ITエンジニアの求人倍率が10倍を超えており、国内のIT人材不足が深刻化していることが背景にあると考えられます。

2. オフショア開発の使用する企業属性の変化

次に、同白書によると、オフショア開発を検討した企業属性の割合は以下の通りです:

エンドユーザーが依然として過半数を占めていますが、前年の割合(25%)に比べてベンダの割合が33%に拡大している点が注目されます。

この背景には、中国の人件費高騰やカントリーリスクを避けるため、東南アジアへの移行を検討するベンダが増加していることが考えられます。また、エンドユーザーにおいては、コスト削減効果の減少から内製化や国内回帰が進んでいるため、相対的にベンダの割合が増加している可能性もあります。

カオピーズでは、ベトナムに拠点を新設・検討するベンダ企業からの問い合わせが増加しており、日本国内のIT人材不足に伴うオフショア移行が加速していることを実感しています。

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3. オフショア開発を提供する企業:国別のランキング

2023年版のオフショア開発検討先ランキングは以下の通りです:

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ベトナムは、以下の理由からオフショア開発先として人気があります:

・IT専門教育を受けた人材が年間約5万人供給される。

・日本向け開発の10年以上の経験で信頼性が高い。

・高い語学力とコスト・品質のバランスが魅力的。

英語圏の台頭

2位のフィリピン、3位のインドは英語を共通言語とするプロジェクトに適しており、日本企業の間でも人気が高まっています。

4.結論

2023年のオフショア開発市場は、企業規模や属性、国別の選択肢において変化を見せています。特にベトナムの人気は依然として高く、大企業による需要が増加する一方で、中小企業はコスト削減効果の減少から国内回帰の動きが見られます。カオピーズは、10年の経験を持ち、150社以上の日本企業様に対して600件を超えるプロジェクトを提供してまいりまして 、ベトナムの市場で柔軟な対応を提供しているオフショア開発会社の一つです。オフショア開発のご検討に際しましては、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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